先日の別記事。写真入り。

http://chubu.yomiuri.co.jp/kenko/kenko070211_1.htm
魚拓
使命感だけでは続かない

医師不足の背景について語る垰田助教

 各地で病床閉鎖や外来閉鎖を強いられるなど、深刻化している医師不足について考える講演会(三重県保険医協会主催)が10日、津市一身田上津部田の県総合文化センターで開かれ、滋賀医科大の垰田(たおだ)和史助教授が、労働衛生学の立場から、勤務医が病院を離れる背景などについて解説した。

 講演会には、勤務医や開業医、医学生ら約50人が参加。垰田助教授は講演で、若い医師らが病院を離れるのは、医師の家庭生活の問題をないがしろにしてきた古い体質に一因があるとし、「患者への思いや使命感だけでは続けられない。医師自身の生活維持という観点で制度を考えなければ、いくら医師を増やしても定着しない」と述べた。

 また、医師に年7週間の有給休暇を義務づける一方で、日本と同レベルの医療水準を維持しているスウェーデンなどの例を挙げ、過酷な労働は、かえって診療行為や地域住民の健康維持に悪影響を与える可能性があると指摘。熱心に聞き入る参加者に対し、「長距離トラックの運転手が睡眠不足や過労で運転すれば事故の原因になる。医師が睡眠不足や過労で診療して安全といえるのか。今どんな問題を抱えているかを、もっと発信すべきだ」と呼びかけた。
(2007年2月11日 読売新聞)