周回遅れ

ICU専任医師の話を書こうとしたら、既に議論が進んでいたので別のネタ。


周回遅れの対策を青森県が始めるらしい。
気の利く病院ではこんなの当たり前だと思うのですが...。
ちなみに私が以前勤めた公立病院、日勤帯には病棟クラークいましたし、救急外来にもクラークいましたけど?
事務当直がいなかったので未収金がかなりの額になっていたのを覚えています。
しかし

指導医の事務作業をサポートする「メディカルクラーク」(医療秘書)

想像力が足りないですね。
事務作業が多くてうんざりしているのは指導医だけじゃなくて研修医だってそうだってのに。

臨床研修教育を充実させることによって、本県に多くの研修医が集まってくるようにしたい。全国初の試みではないか」

『我々の県の病院には病棟クラークがいて、研修医の皆さんにも研修に集中していただく環境を整えています(だから我々の県で研修して、その後も残ってね)。』くらい言わないと...。


そういえば、とある大学病院では忙しい科には医局が雇った*1病棟クラークを置いているそうで。外来にも各科が雇ったクラークを置いているそうです*2
酷い話です。

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070220110214.asp
魚拓
臨床研修病院に秘書配置へ/県

 県は新年度、県内の臨床研修指定病院で、指導医の事務作業をサポートする「メディカルクラーク」(医療秘書)を配置する事業を進めることが十九日、分かった。増え続ける指導医の負担を軽減し、その分、研修医指導に重点を置くことが目的。県は「臨床研修教育を充実させることによって、本県に多くの研修医が集まってくるようにしたい。全国初の試みではないか」と話している。

 深刻な医師不足、看護師不足に加え近年、医師が携わる事務作業が急増。指導医が多忙を極め、研修医の教育に手が回らないという事態も発生している。これらを背景に、県と医師との懇談会で、東京・大阪の医師側から「指導医の負担を軽くできないか」との提案もあり、県がメディカルクラーク計画を協議してきた。

 事業の対象となる医療機関は、県内十二の臨床研修指定病院のうち、県病、青森市民、弘前市立、健生病院、八戸市民、黒石、十和田中央、むつ総合の国立系病院などを除いた八病院。

 八病院のうちメディカルクラーク配置を希望する病院に最大三人まで、県が経費の三分の一を二年間にわたって補助する。二〇〇七年度予算案に三千二百万円を計上した。

 県医療薬務課は「臨床研修に力を入れている県として全国にアピールできる」と説明。各自治体病院の負担が出てくることについては「負担軽減によって医師の能率も上がり、収入も増えるはず」と話している。

*1:決して病院が雇ったわけではない。

*2:そうしないと事務作業がまわらないらしい。