精神病院でバイトをしていたこともあって、興味深い。

精神科医 2008/02/15 15:04
Yoshan先生、レスいただきありがとうございました。


精神科病院も長期入院患者の高齢化が進み、また認知症病棟を併設しているところもあるため、終末期の意思確認は割とルーチンにやってます(といっても家族対象が主ですが)。殆どの方は、院内で出来る範囲の簡単な処置(ドパミン投与も含めたCPRくらい)で回復すれば幸運だったとして、駄目ならそれ以上の積極的治療は望まないとおっしゃいます。その一方で、90歳超えの認知症患者さんでも、終末期にフルコースを希望する家族は一定数います(いくら説得しても聞きません)。そんな患者に対してはやむを得ず転院したりして対処していました。激しく医療資源の無駄ですが医師免守るためには仕方ありません。相手方の病院もよく受け入れてくれてたもんだと感謝しています。


ところが、この1、2年、都心部でも中規模一般総合病院の閉院、縮小が進み、以前なら急変時に受けてくれていた病院が減っています。
マスゴミの言葉を借りていえば、20件の「たらい回し」は当たり前。つーか自分が相手病院で勤めてたらやはり断るでしょうね昨今の情勢では。
で、事実上精神科病院ではお粗末ながら「急変時はDNR」以外不可能な状態となっているのが大半です。


とはいっても、年寄りはともかくとして、若い統合失調症患者や大うつ病の会社員なんかも結構いるわけで、なりたくもないのに精神を患って、家族としても混乱してて、それでなくても嫌なイメージがある精神科病院にしぶしぶ入院させざるを得なかったのに、この上、身体的急変があっても転院出来なくて死亡することもあるので了承下さいといっても納得するわけがないわけで、、。
精神科医の内科知識、技量の不足もありますが看護基準も緩く、極めて抑制された予算下にも関わらず一般病院並の治療水準を要求されることが多くなっております。普通にリスクマネジメント出来る医者ならそんな患者、家族はお断りするんですが、一方で精神科病院は一族経営が多くアホな(非医者の)経営陣の経営方針に付き合わされてトラブルに巻き込まれるのがこれまた多い(笑)。まるで僻地公立病院と同じような構図です。
精神科でさえドロップアウトする医師も出てきました。かくして、都内の精神科医療もかなり貧困になってきています。


流れとずれまして失礼しました。しかしあらためて2000円という経済価値で示されるとやる気なくなりますねえ。また、料金が発生する以上余計な責任を負う必要が出てくるのかなと懸念して先ほどの書き込みとなりました。長文ご容赦ください。