atypical

先日、20代の肺炎の患者さんがいました。
基礎疾患がないのに全然治らない肺炎。
40℃の熱が連日続いて...

ニューキノロン無効、セフェム無効、カルバペネム無効...


大学の人達にも相談しながら治療を行ってはいたものの、相当怖かった。


もし万が一controlできなかったとして、訴えられた時の事を考えると、もうね。
いくらでも穴はあります。探すとか曲解すればいくらでも。

  • 呼吸器専門医でないのに漫然と抗生物質を投与続けた。
  • 喀痰が採取できなかったのに、胃液で結核菌検査をしなかった。
  • 気管支鏡で病原体を検索しようとしなかった。
  • 薬の選択が間違っていた。
  • 等々

本筋とは関係ない部分も含めたらいっぱいありますしね。


で、怖いのはもし不幸な結果に終わった時に、訴えられたとして、裁判でねじ曲げられて結果責任を追及されたら、と。
例えばこの人が生命保険に入っていなかったりすると、そのリスクは高くなりますよね。


治療として間違っていなかったとは思うけど、100%の自信は持てないしね。
専門以外には手を出さないってのが正解でしょうけどね*1


と思って相当肝を冷やしながら治療をしたのですが、最終的には治ってよかった。


経過中、大学に本当に送ろうと思ってサマリーだの添書だの書いちゃいましたが、使わなくて済んでよかった。


こういう経験は非医療関係者にはわからないんだろうなぁ*2

*1:専門医を持っていたとしても条件はあまり変わらないんですけどね

*2:Dr.でもわからない人いるだろうけど。