インフォームドコンセントのコスト

以前とある病院で働いていた時に担当した患者さん。
20代の元医療従事者で、悪性疾患で入退院、化学療法を繰り返していました。
この人の両親が凄かったです。
何度説明しても理解してもらえませんでした。
理解する気がないというか...。
患者さん本人も両親に説明するのを諦めてましたので、私の説明が悪いわけではなかったと思います。
結局、治療方針等は私と患者さんのみで決めて、両親に説明するのは私も患者さんも諦めました。


治療自体は非常にうまくいっていたので、実際は問題がなかったのですが、あの時、経過が悪かったり、結果が悪かったりしたら、訴えられていた可能性は充分にありますね。
三者として患者さんの友人とかにも一緒に説明しておけば良かったかも。


この説明(インフォームド・コンセント)に費やす労力ってかなりなものがあります。
しかし、それをわかってもらえないことが結構あります。
休日夜間に説明をしてほしいと家族が言っています、と言われることがあります。
平日昼間は仕事があって忙しいから、という理由だったりしますが、自分の仕事の都合で、休日・時間外に他人を働かせる事になるっていう想像をしてほしいものです。
説明は無料だから、自分の仕事を妨げて(コストを払って)まで聞きに来ようとしない、っていう発想なのかもしれません。
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http://inoue0.exblog.jp/3251928/


そういえば、日経メディカルで養老孟司が『インフォームド・コンセントは「バカの壁」』って言ってましたね。
http://www.hi-ho.ne.jp/tgoto/medic3/581.htm