ちょっと待て

電波判決。
完全な病院側の敗訴ってわけでもないけど、一応負けは負け。

 下野恭裕裁判長は、同病院が当時、血液疾患の治療方法などを共同研究する「小児白血病研究会」に参加していないという説明を医師が怠った義務違反を認定。

小児白血病研究会ってどういう施設が参加しているのか、と思ったら、参加施設はこちら

 同研究会の参加病院であれば、蓄積された治療ノウハウの提供を受けるなど高度な医療を期待できることから、「説明があれば、参加病院で診断を受けることなどにより、死亡という結果を回避できる可能性があった」と指摘した。

後だしジャンケンですね。
研究会に参加してない大学病院が結構あるんですが、その病院では、『蓄積された治療ノウハウの提供を受ける』ことができず、『高度な医療を期待』できないってことですよね?
ちなみに私の出身大学も認定施設に入っていないのですが。


ちなみに私が調べた範囲でこれの成人版は
JALSG
http://www.jalsg.jp/01/shisetsu.html
JCOG(LSG)
http://www.jcog.jp/STUDY_GROUP/mem_lsg.htm
なんですが、全国JALSGは184施設、JCOGは47施設です。そこ以外では治療してはいけないってことですよね、裁判長?


おまけ
神戸新聞にも記事があるのだそうで、調べてみました。

「被告は研究会に参加してないことを患者側に告げる義務があった。研究会に参加してない病院では何か問題が起きても、研究会に判断を求めることができない。患者側はほかの研究会参加の病院で、高度な治療を受けることもできた」

研究会って、困った時に相談にのってくれるってことですか?
どちらかというと治療成績の蓄積、新しいプロトコールの開発(臨床試験)をやっている組織だと思っていたのですが???
『ほかの研究会参加の病院』で『高度な治療』が本当にうけれるんですかね?

http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070126-147622.html
魚拓
日赤に1000万円賠償命令

 兵庫県姫路市の姫路赤十字病院で、悪性リンパ腫だった9歳の男児が合併症で死亡したのは、治療上の過失や説明不足が原因として、遺族が日本赤十字社と担当医師に計約9400万円の損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁は26日、計1000万円の支払いを命じた。

 下野恭裕裁判長は、同病院が当時、血液疾患の治療方法などを共同研究する「小児白血病研究会」に参加していないという説明を医師が怠った義務違反を認定。

 同研究会の参加病院であれば、蓄積された治療ノウハウの提供を受けるなど高度な医療を期待できることから、「説明があれば、参加病院で診断を受けることなどにより、死亡という結果を回避できる可能性があった」と指摘した。

 判決によると、男児は1999年10月、同病院で悪性リンパ腫と診断され、同研究会作成の治療計画書に従った化学療法などの治療を受けたが、合併症による間質性肺炎で翌年10月に死亡した。

[2007年1月26日22時2分]

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000225663.shtml
魚拓
日赤に賠償命令 男児感染死で説明怠る 姫路
2007/01/27


 悪性リンパ腫と診断され姫路赤十字病院姫路市)に入院、肺炎に感染し死亡した同市内の男児=当時(9つ)=の両親が、病院に過失があったとして、日本赤十字社(東京都)などに約九千四百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十六日、神戸地裁であった。下野恭裕裁判長は「医師らは治療について、両親に説明する義務を怠った」として、赤十字社に一千万円の支払いを命じた。

 判決によると、男児は一九九九年十一月、悪性リンパ腫の治療で入院。抗がん剤を使う化学療法で症状が改善したとして、入退院を繰り返しながら治療を続けたが、〇〇年十月、入院中に肺炎に感染し死亡した。

 同病院は当時、悪性リンパ腫の治療実施計画書を作成した小児白血病研究会に参加してなかったが、下野裁判長は判決理由で「被告は研究会に参加してないことを患者側に告げる義務があった。研究会に参加してない病院では何か問題が起きても、研究会に判断を求めることができない。患者側はほかの研究会参加の病院で、高度な治療を受けることもできた」などとした。

 さらに裁判長は、肺炎予防の薬の服用についても「男児が薬を内服しやすい環境をつくる義務を怠った」として病院側の過失を認定した。

 姫路赤十字病院の企画情報課は「判決文を見てないのでコメントは差し控えたい」としている。