奈良の件追加5

情報が錯綜していたようですが、先日の一人産婦人科部長の先生だったようですね。一人医長常勤医で主治医

当直(or on call)週5回
応援は週二回のバイト当直だけ
平日はフルタイム外来&オペ
事件当日は連続勤務4日目の深夜
疲れのピークだったらしい

院長と元看護部長に後ろから撃たれたようで、後医は名医、後だしジャンケンですね。
他の病院の先生がCTをとっていたら...と言ったらしいですが、技師呼び出しの体制でCTをとる手間を考えたらどうなのでしょうか?
毎月当直しているとある病院。レントゲン関係は技師呼び出しでしたが、技師が来るまで最低30分はかかりました。
ある時、脳卒中を発症した患者さんを降ろして撮影をしようとしたところ...嘔吐してしまいました。CT室って検査のための部屋なので、吸引・酸素等あるはずもなく*1、急いで病棟に戻して事無きを得ました*2。必要だったけど、この時は検査室に降ろすんじゃなかった、と後悔しました。
昼間だったらいいんですよ。マンパワーもあるし、対応できる近くの部屋もあるし。でも当直帯(夜勤帯)ではとっさの対応がとれません。
(同様の事が述べられています→http://ssd.dyndns.info/Diary/archives/2006/10/post_100.htmlhttp://qq14.exblog.jp/4044412/
大淀病院は病棟と検査室が離れていたそうで、何かおこったらどうするのでしょうか?
しかも、検査前は子癇発作と脳卒中を疑っていたわけで、前者の場合、動かすこと自体で子癇発作を誘発するらしいですし。
技師呼び出しの病院で悩むのは、転送した方が良いか確信が持てない場合、CTをとって、結果的に時間を無駄にして転送するべきか*3、とりあえず転送して向こうにおまかせするか。
転送元と転送先の両方の立場がわかるだけに悩むわけで、新聞の取材に答えた先生には高次病院の事情しかわからず、想像も出来ないのでしょう。

続見解の相違2

蛇足的な雑情報をまとめておきます。本題とはあまり関係ないかも知れませんが。

1.当日大学当直医の証言。(医局員で後期研修医2〜3年目)
地獄のような熱い熱い夜の当直でした。(熱帯夜ということもありましたが)緊急帝王切開の最中に大淀病院から連絡が入りました。ただでさえ少ないスタッフのうち、何人かが夏休みの最中で、夜間呼び出し電話をかけたがなかなかつかまらない。搬送先を探すのと同時にスタッフの呼び出しも行いました。あの日の前後の1週間はほとんど大学やバイト 先の当直と他のスタッフの夏休みが重なり、ほとんど寝ていませんでした。特にあの夜はくたくたに疲れました。

2.奈良県奈良病院
あの日の夜は妊娠24週前後の早産が進行中で、NICUのベッドに空きがなかった。

3.カルテの看護記録に、わざわざ、すでに退職した元総婦長が来院したと記載あり。(死亡した患者さんの大叔母か祖母にあたる人のようだが離婚しており、関係は不明)
勤続50年だったそうで、病院長とも長い付き合いで、ツーカーの仲だったという(元看護婦の証言)。産婦人科部長とも旧知の仲だったが、産婦人科部長は、退職後も口をはさみに着たりするこの人物(70歳前後か?)を快く思っていなかったようだ。実際最初の書き込みにも書いたように、彼女自身が消防署員などから病院のリストを手に入れ、搬送受け入れについて多くの病院に連絡している。この人物から多くの病院側情報などがマスコミに漏えいし、今回の騒動を仕組んだ可能性がある。大淀病院のスタッフの間では有名 人。

4.病院長は出身医局は脳神経外科であるが、途中で方向転換しており、専門は消化器外科である。従って産科はもちろん、脳神経外科の知識も一般の外科医並み。

5.大淀病院は総合病院ではない。医師のみならず看護師も不足しており、病棟を一部閉鎖中。

6.大淀病院産婦人科が閉鎖ということになれば、奈良県南和地区で分娩を扱う施設はなくなる。ちなみに南和地区は面積的には奈良県の60%以上をしめる。

*1:もちろん、この病院にはなかっただけで、ある病院もあります。

*2:結局、状態が安定して再トライして、脳出血が見つかりました。

*3:たいてい、転送先のCTの方が性能が良い。