日経メディカルオンラインより。


全文読んでもらいたいけど、半分ぐらいコピペしてしまった...。


前半2段は最悪です。

【緊急特別寄稿】
小松秀樹が語る「医療に司法を持ち込むことのリスク」
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/series/kikou/200710/504479.html
 厚生労働省の「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」が2007年4月に発足した。いわゆる「医療事故調」の設立のための検討会である。私は、第2回の会合で意見を述べる機会を得たが、各委員がキーワードの「医療関連死」という言葉さえ異なるニュアンスで使っているような状態で、議論が全くかみ合っていなかった。驚いたのは、議論をかみ合わせようとする努力なしに、猛スピードで議論が進められたことだ。議論をしたという実績を残そうとしているとの強い印象を受けた。

 その後漏れ聞く情報によれば、「医療事故調」に、社会保険庁解体に伴って生じた余剰人員を吸収したいという意図があるとのことだった。本当かどうか知る立場にないが、これが本当なら、厚労省は、省益のために、将来の日本の基本設計の議論をないがしろにしたと非難されても仕方がない。

 「医療事故調」が議論されるようになった背景には、医療崩壊の危機がある。医師が患者の無理な要求や、それを支持するマスコミ、警察、司法から不当に攻撃されていると感じるようになり、士気を失い病院を離れ始めた。崩壊を食い止めるための方策の一つとして、患者と医師の軋轢(あつれき)を小さくするという文脈で「医療事故調」の議論は始まった。このような状況で、なぜ、医師を処罰の対象として考え、何かあれば取り締まってやろうという立場で調査制度を設けようとするのか。

 個別性を持った情報を元に、遺族の立場を代表する者が参加する委員会が安全対策を策定すると、膨大なものになりかねない。これを現場に押し付けると現場は疲弊する。責任を伴わない権限で、整合性のない安全対策を強要されると、病院は経済的に破綻する。

 医療サイドがすべきことは、医師の自律的処分制度を作ることだろう。厚労省の第二次試案では、医療事故調の報告書を活用して、医道審議会の処分を拡充しようとしている。医道審議会厚労省に所属する8条委員会であり、厚労省の支配を受ける。厚労省が医師を処分することには多くの問題がある。

 第一に、厚労省の行政官は日本国憲法の下では、政治の支配を受ける。政治はメディアの影響を受ける。日本のメディアの感情論が処分に影響を与えるようになると医療の安定供給は困難になる。第二に、日本やドイツでは政治の命令で医師が国家犯罪に加担した歴史がある。第三に、行政官は現行法に反対できない。ハンセン病患者の隔離政策に対し、一部の医師は科学と良心に基づいて、身を挺して反対した。しかし、行政官は法令に基づいていたが故に反対できなかった。第四に処分機関を持つことで厚労省と医師の関係が変化して、行政に支障を来しかねない。