うーん。

521 :卵の名無しさん :2010/01/24(日) 15:23:43 ID:Xla5miyy0
>>517
東レが、ドルナーに透析移行遅延の可能性があるから治験をやりたい、と言うので断れずに、
渋々臨床試験計画を立てて、治験相談したら、欧米と同じ症例数の試験を要求された。


あのなぁ・・・日本の人口は欧米の20%程度で、なおかつ皆保険なんだし、
米国のように無保険者が治療を受けたいために臨床試験に参加するなんてことないんだよ。
その症例数を集めるに、どれだけの費用がかかるか判ってるのか? 治験やらないぞぉ・・・


それに、ここでこちらが手放すってことは、日本では余程の可能性がない限り
どこの会社も透析導入遅延の薬剤をやることは出来ないくらいだってこと判ってるのか・・・
と治験相談から帰ってきた開発部の話を聞いて思ったのは・・・5年位前かな?


こちらもやる気はいま一だったので、当局に食って掛からず「止め止め」の姿勢だったが、
透析遅延薬剤を日本発で作るのは事実上無理っぽいですね。
欧米で成功したものを導入するのみで、ドラッグ・ラグは必至。


もう会社辞めちゃったから、言っちゃったよwww


522 :卵の名無しさん :2010/01/24(日) 15:36:15 id:Xla5miyy0
ちなみにドルナーって、1日薬価いくらか忘れたけど、300円として年10万円。
透析は年間500万円として、1ヶ月遅らせれば40万円医療費が浮く。
ドルナー1年飲んで、透析導入がわずか1ヶ月遅れるだけで、十分だったはずなんだが・・・


もう記憶の世界で、しっかりした数字は忘れましたが、厚生労働省の自爆燃料の報告でしたwww


547 :卵の名無しさん :2010/01/25(月) 11:15:33 ID:2dwbBtoi0
>>531, 532
何か誤解してませんか?


>そういうのに保険使うからオカシナことになるんであって、先端研究治療は大学病院か大学関連教育病院で行い文部科学省から校費を分捕ってきてそれですべて賄うべしw


現在の費用負担の詳細は把握していませんが、治療中の患者が、治験に入れば、治験対象疾患に関する
薬剤費や検査料は会社負担になるので、保険財政にとっては負担が軽減されてるはずですよ。


例えば、透析患者ではなく、高コレステロール血症患者におけるスタチンの治験の場合で説明しましょう。
通常診療で3ヶ月に1回の脂質値+αの血液検査して、メバロチン服用していた患者さんが
リピトールとメバロチンの第3相比較試験に入った場合、治験で検査は月1回になりますが、
治験に必要な検査項目(血液、尿)は全部会社持ちなので、3ヶ月に1回保険が負担していた分も、
会社負担に移行してます。
それから治験期間中服用するスタチンは両方とも会社負担ですから、その分丸々保険負担は軽減されてます。


その他、再診料など人的な部分がどうなっていたか忘れましたが、保険財政逼迫のおり、
治験は保険にも診療側にもお金を落としてますよ。


575 :卵の名無しさん :2010/01/25(月) 15:32:29 ID:2dwbBtoi0
>>554


は!? そんな馬鹿なwww


>製薬会社が全負担なんだからこころおきなく治験症例を数に達するまでゆっくり集めることができる。
>どれだけ費用がかかろうとも医師も患者もなにも心配する必要ないだろ。


そりゃ、医師も患者も心配する必要はないですが、製薬会社が採算割れでつぶれますよ。
だから手を出さない。
すると、>>522の様な透析よりも対費用効果の高い薬物療法が成立する可能性を潰してしまう。
と言う意味なんですよね。


576 :卵の名無しさん :2010/01/25(月) 15:33:22 ID:2dwbBtoi0
米国では国民の15%程度の無保険者が存在し、治療費は「新」薬の価格を含めて
日本よりはるかに高いため医療が受けられない。
治験に参加すると、その治療費は全て会社もちなので、治療目的で治験に参加する。


一方、日本では国民皆保険のため自己負担が少なく、高額医療費制度まであるので
低所得者でも医療が受けられる(そのしわ寄せは、診療側と製薬側に)。
治験にまで入って治療をするメリットのある患者は少ないので、
1症例集めるのに時間がかかり、製薬会社の開発部員の人件費分が大きな負担になる。


製薬側もしわ寄せ?と言うと先生方には怒られそうですが、武田のアクトスの
日米価格差はなんと約2倍(米国>日本=およそ欧州)です。
日米の治験1症例あたりの費用差は、約3倍(日本>>米国)とも言われています。


欧米は両地域共通で、第3相試験をすればよいので、人口規模=およそ患者数が日本の約5倍。
薬の価格差を勘案すると上市後の売上が、欧米は日本の7−8倍。
治験費用は日本の約30−40%。
つまり、開発投資の回収率は10倍以上になってしまうわけです。
それで、欧米で成立している大規模臨床試験(第3相)の症例数を当局から要求されたら、「んじゃ、止める」となるわけです。


578 :卵の名無しさん :2010/01/25(月) 15:35:35 ID:2dwbBtoi0
我々国内大手も、最初は国内薬剤費を研究開発費に振り向けて、どうにか海外進出をし、今では海外売上が50%程度までなってきたわけです。ですから、いかに採算性が米国>欧州>日本
であっても、日本への新薬導入を遅らせることは抵抗があるわけです。
一方で、産業構造の変化で、海外から稼げる産業は少なくなっていて、新薬メーカーに
その期待がかかっている。我々が支払う法人税は、回りまわって社会保障費として医療費
にも充当されるわけです。その期待に応えるために、社内で経済合理性の追求を強く打ち
出してしまうと、日本市場は後回しにならざるを得ない。


このジレンマの中で、東レとの関係もあり(東レを非難はしていません)、透析移行遅延
と言う重要な適応症ということを含め、どうにか社内を説き伏せて開発計画を立ててもらって、
当局へ治験相談した。ところが、当局は「純粋に科学的な観点」からのみで莫大な症例数を要求してきたわけです。
悪意は全くなかったと想像しているのですけどね。


もちろん、製薬側からもかなり上を通して、この手の問題を指摘したようですし、当局も気づいて対応を始めているようです。


598 :卵の名無しさん :2010/01/26(火) 00:10:47 ID:o/SMijMS0
>>591


>そんだけの数治験しちゃったら新薬の適応対象患者がみな治療済みになって認可されてももう売れなくなるしな。


全然違いまーす!
実際にはP2a, P2b, P3と段階を踏むのだけど、
あくまで「仮にP3の1本」だけで承認取得できるとしましょう。


利益の部
1日薬価 約300円として、年間薬剤費10万円、上市後投与予想患者数10万人、
独占販売期間15年(追加適応ではもっと短い?)、
割引率 0%(経年減価みたいなもので5%とかだが、ここでは無視)、売上営業利益率 30%とすると
 15年間の合計利益 450億円


開発成功確率 20%で 確率調整済みの15年間の合計利益=90億円


開発費の部
1症例単価 300万円、P3症例数3000例で、開発費90億円 ←↑これで利益O円


599 :卵の名無しさん :2010/01/26(火) 00:12:26 ID:o/SMijMS0
この時、P3症例数3000例は上市後投与予想患者数10万人に対して、わずか3%


実際にはP2a, P2bが組まれて、それぞれ成功確率が入るので、
今回の「仮にP3の1本」の成功確率を20%としても不当ではない。


割引率が8%なら10年後の100万円は今の約50万円として計算するので、利益はより小さくなる。


P3症例数3000例は小さく、例えばsimvastatinの4S studyは4444例でも、今となっては少ない方。


1症例単価300万円は、ある時期言われていた実際の数字。←これが大きい。


独占販売期間は新薬並として長くなっており、営業利益率は製品によりけり。


602 :卵の名無しさん :2010/01/26(火) 01:50:28 ID:1iyK2YcX0
>>598
>1症例単価 300万円
実費にしても検査だけでそんなにかかるかね?儲けのために大げさに言ってるんじゃないのかw


603 :卵の名無しさん :2010/01/26(火) 02:50:38 ID:o/SMijMS0
>>602


http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~utdpm/poster/2005/JSCPTyamazumi.pdf#search='症例単価'


(3) 年間承認品目数から: 年間承認品目数( 厚労省)と各相での成功確率と平均症例数を用いて算出し
た。さらに症例単価を300 万円( 中村洋, 2003)とし、上記に乗じて年間治験コストを算出した。


http://www.jpma-newsletter.net/PDF/2005_109_03.pdf#search='症例単価'


1症例あたりの治験費用の内訳を国内:海外で万円単位で比較すると、医療機関に支払う費用は
179:76、SMO費用は43:0、CRO費用は25:131、その他費用は67:12でした。海外の医療機
関は治験のインフラが整っているためかSMOの費用は発生していません。一方、国内の医療機関は海外
に較べインフラが整っていないにもかかわらず海外の約2.4倍と高額で、インフラ不整備を補うための
SMO費用を加味すると海外の約2.9倍となります。医療機関に支払う経費のあり方が課題です。


日本 179+43+25+67=314万円

僻地医療の自爆燃料を語る148