一般人の視点

最初に、別に一般人に噛みつきたいわけではありません。
ただ、医療関係者と一般人の間の意識格差が大きいということを再認識したので、ちょっとつっこみを入れてみました。
とあるblogより引用。

なんだが、一方で、専門ぽい個人医院の開業が増えている。皮膚科や眼科、アレルギー科、糖尿病管理……正直、採算取れるのかなと心配になるんだが。開業資金だけで相当の投資だろうに。それでも採算がとれるってことかな〜。保険が厳しくなっているけど、先生と看護婦、スタッフの3人ぐらいが食べていけるぐらい儲かるんだろうか。スナックなら廃業レベルの客数でもってのはどうなんだろw。

スナックなら廃業レベルの客数でっていうところには疑問が...。
スナックという非専門職と比較されてもね、じゃなくて、少なくとも、うまくいかないところ(お客の少ないところ)はつぶれてますんで。
開業資金だけで相当の投資をしてでも開業したくなる事情があるわけですよ。
糖尿病管理が挙げられていますが、これは需要もあり、またスタイルとして開業向きではあるんですよね。

社会保険組合が運営する病院の産科に入院したときに思ったが、5年前のスタッフの内、産科医は3人、助産師は1人しか残っていなかった。産科医は夜勤を含めると計7〜8人、助産師は計7人いたはずだったので、なんていうか、流動性が高すぎないかと。医師も看護師も、医療関係者は消耗しやすいと思うのに、なんだかな〜、雰囲気が悪いところが多過ぎなのか、待遇が悪すぎなのか。助産師に関しては、シフトが妊娠・出産しても続けられる体制じゃありませんよと言うのもあり。これは、患者側からは見えない話なのだが、専門技術を身につけている貴重な人たちが、割と簡単にやめちまうのはどうしてなんだろう。業界の雇用システム自体に問題があるんじゃないの。って反省は、医療業界内部ではなかったのかな。

医師に関してはある程度、流動性がある方が望ましいので、5年で半分入れ替わっているっていうのは公立病院としてはまあ普通じゃないかと。
医師の雇用システムといえば、医局制度なんですけど、これが悪いのだと叩かれて、医局制度が崩壊、雇用システムも崩壊ってことですかね。反省も何も崩壊させられちゃったので...。


助産師はシフト制があるからまだ良い方ですけど、それでも妊娠出産したら続けるのはやっぱり無理だと思います。
このあたり↓を参考に。
http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%BD%B0%B1%A1%B8%FC%C0%B8%CF%AB%C6%AF%B0%D1%B0%F7%B2%F1%B1%FC%C5%C4%C0%E8%C0%B8%C8%AF%B8%C0

素朴に思うのは、なんで勤務医が続けられないの? なんでリスク高そうな個人開業の専門医院が増えるの?って理由をきちんと調べて、対策すればいいんじゃないかと。それがちゃんと行われていないから、こういう現状なんだろうが。

だれが、対策するんですか?
職業生命のリスクが高いのは勤務医を続けること、それに対して開業は金銭的リスクが高いので、どちらをとるか、とらざるを得なかったのか、その結論が個人開業なんですね。

あと、某総合病院へ行ったら、産科といっても、「妊婦検診」より「不妊治療」の方が圧倒的に混んでいて、なんだかな〜と。確かに保険外の方が料金を決められて儲かる面はあるとは思うが、おいおい、結果に対して、責任取れよとか思った。

これは筋違いだと思います。
お客さんの比率に関しては医療機関側で基本的には操作しようがないので、たまたまそうなっているだけなんじゃないのかと。
不妊治療はするけど、産科はみないっていうクリニックに比べれば責任はとっていると思いますが?


こういう一般の方にこれ↓読んでもらいたいものです。

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